
地域猫活動とは
野良猫がもたらす様々な住環境被害に頭を悩ませている人がいます。
一方、外の過酷な環境で暮らす野良猫の姿に胸を痛めている人がいます。
どちらの立場の人にとっても「野良猫が増え続けるのは良くない、増えないようにしたい」という願いは一致しています。
地域住民が主体となって、猫の生態を踏まえた合理的な対策によって、野良猫の個体数を減らし、野良猫トラブルの解決を図り、住みやすい地域社会を作っていくのが「地域猫活動」です。
地域猫活動は猫の活動ですが、自分たちの街を住みよい街にしていくための環境美化活動のひとつなのです。
どちらの立場の人にとっても野良猫を減らしたいという願いは共通


猫の生態・習性を利用した合理的な野良猫対策
発情期と生殖サイクル
猫は生後4〜5ヶ月で生殖可能となります。妊娠期間は約60日、一度の出産で平均5頭前後産み、年に2〜3回の出産が可能です。
発情期のメスは特有の鳴き声がうるさく、オスはメスをめぐって激しい喧嘩をします。
不妊手術をすることで、メスは発情しなくなるので、発情期特有の鳴き声がなくなり、もちろん繁殖もしません。オスは、メスをめぐる喧嘩をする必要がなくなり、尿のマーキング臭も激減します。
またエリア内に発情期の個体がいなくなると、周辺地域から未手術の猫が繁殖相手を求めて流入することが減ります。
野良猫の平均寿命は5年。不妊手術により数年で自然に野良猫の頭数が減っていきます 。
餌管理と縄張り
野良猫対策には、餌の管理も重要です。定点・定時の給餌により、野良猫の個体を把握し、未手術の猫がいれば不妊手術を行います。
不妊手術済み(TNR済み)の猫と、餌やり者の間では「毎日この時間に、この場所でごはんだよ」という秘密のルールを共有してもらいます。決まった時間、決まった場所でのみ餌やりをし、決して置きっぱなしにはしないことが大切です。置きっぱなしの餌がなければ、たまたま周辺地域から猫が立ち寄っても、通り過ぎてくれます。
また、猫には強固な縄張り意識があり、自分のテリトリーを守っています。手術済みの猫を元の縄張りに戻す(リターンする)ことで、新たな猫が来ることを防げ、猫の数のコントロールがしやすくなります。TNR済みの猫は、他の猫がテリトリーに侵入しないよう守る役割を担います。
適切な餌管理は、餌をめぐる猫同士の喧嘩やゴミ荒らし被害の対策にもなります。
「餌やり禁止」は逆効果
餌やりをやめるよう苦情を言ったり、餌やり禁止の張り紙をしたりといった行為は、逆効果です。餌やり者は隠れて餌やりするようになるため、把握できないところで野良猫が繁殖します。
餌が足りなくなればゴミ荒らしが増え、餌を求めて野良猫があちこちに拡散して繁殖するため、長期的には事態が悪化します。
可哀想だからと餌を与えるだけで不妊手術をしなければ、可哀想な猫は増え続けます。
しかし、餌をやるから猫が増えるのではありません。
不妊手術をしないから増えるのです。
猫はどんなに飢えてガリガリに痩せていても繁殖します。
餌やりするだけでも、苦情を言うだけでも、可哀想な猫・迷惑な猫の問題は全く解決に向かいません。
TNRを実施し、適切な給餌と見守り管理を継続することによって、頭数を減らしていくことができ、地域環境も改善されていきます。
TNR先行型地域猫活動について
「どうぶつ基金では,従来型の地域猫活動では、話し合いをしている間に猫の頭数が倍増してしまい、当初の予算では実施できなくなってしまうケースや、公園や大学など、いわゆる“地域”が無いケースが多くあることを鑑み,「TNR先行型地域猫活動 」の推進を行い,広義の地域猫活動等の活動支援を行っています。」
どうぶつ基金HPより引用
「地域猫活動」とは本来、地域住民が主体となって、【地域住民・行政・ボランティア】の三者協働で行うものです。
活動の内容は地域の実情によっても異なりますが、不妊手術(TNR)だけでなく、活動ルールの策定、給餌、餌場や周辺の清掃、トイレの設置管理なども含まれるでしょう。
しかし地域全体でこのような活動を行うには、話し合いによる地域の合意が必要になるため、非常に時間がかかり、いつでも誰でもできるものではありません。
そしてその間にも野良猫は驚異のスピードで繁殖していきます。
「きたこがねこTNR」は、野良猫問題解決の第一歩として、とにかくまずは繁殖をストップすることが大切だと考え、TNRを行っています。
地域住民
(町会など)
主体となって
活動を行う
ボランティア
猫やTNRに関する
知識・スキルを
提供する
行政
関係者の調整
支援、広報など